ベルモントS2019 気になる出走馬の詳細は?

 

日本ダービーが終わって早2週間。各国も春のクラシックシーズンが終わり、秋まで休養に入る馬も増えましたが、唯一、例外となるのがダート大国・アメリカ。まもなく牡馬クラシック3冠目となるベルモントSの開催が迫ってきました。

 

今年のベルモントSは6月8日(土)の18時37分(日本時間:6月9日(日)7時37分)にベルモントパーク競馬場のダートコース2400mで開催。アメリカ国内でも例を見ないダート最長距離でのG1レースです。

 

そもそも、アメリカのクラシックレースは他国とは異なります。日本をはじめとしたほとんどの国は4月から半年間かけてクラシックレースを行いますが、アメリカは5月の頭にケンタッキーダービーを行うと、その2週間後には2冠目のプリークネスS、そして3週間後にはこのベルモントSが開催。なんと1ヵ月半の内に3冠レースがすべて終わるという超ハードなローテーションとなっています。

 

欧州との文化の違いといればそれまでですが、アメリカの強い馬というのは「いつ、なんどきでも誰の挑戦を受ける」といったストロングスタイル。夏前までに3歳の強い馬を決めて、秋からは古馬と積極的に競うことを良しとしています。それだけに故障離脱する馬が多いのもこのクラシックレースの特徴ではありますが、タフでなければ勝ち切れないというアメリカ競馬の本質がこのレース体系にも見られます。

 

ちなみに日本でも同じダートを主戦とする南関東競馬はこのアメリカのストロングスタイルを踏襲する形で、クラシックレースを組んでいますが、それでも羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーは例年中3週ずつで行われている代物。夏までに3冠すべてを終えるようにはなっていますが、ハードさでいえばアメリカの方が断然上。以下にアメリカのクラシック戦線が過酷かを物語ります。

 

そんなベルモントSですが、創設されたのは1867年。実はアメリカ牡馬3冠レースの中で最も歴史を誇ります。当時はその年にオープンしたニューヨークのジェロームパーク競馬場で行われていました。距離はダート2600mと今よりも少し長めでした。

 

その後のベルモントSは競馬場の変遷がいくつかあり、1890年からは同じニューヨークのモリスパーク競馬場での開催に替わり、現在のベルモントパーク競馬場に移ったのは同競馬場がオープンした1905年のことでした。

 

ベルモントパーク競馬場に替わって以来、コース替わりが減り、それ以降ベルモントパークの他で行うことはなくなりました。また、距離の面でも26年から2400mに固定され、現在に至ります。

 

ベルモントSと言えば、アメリカ牡馬クラシック最後のレースという面もありますが、それ以上に圧勝が多いレースとしても知られています。中でも代表的なのが73年のセクレタリアト。伝説の31馬身差勝ちというアメイジングなレースをしていることでも知られています。

 

また、近年は日本馬の遠征も活発で、08年にはカジノドライヴがこのレースへの出走を表明(レース当日に挫石で回避)し、16年にはラニが出走して3着に入るという好走を見せています。

 

そして17年はエピカリスがこのレースに挑みに渡米しましたが、残念ながらレース直前で回避するという憂き目に。今年のマスターフェンサーも含めると4度目の挑戦となるためか、アメリカのG1レースの中では日本の競馬ファンにも比較的なじみの深いレースとしても知られています。

 

日本馬が出走するレースだけにどうなるか気になりますよね? それではブックメーカーで発表されているオッズとともに注目度の高い出走馬を詳しく見ていきましょう。

 

ブックメーカーbet365

 

ブックメーカー1xbet

 

今年のベルモントSは2強対決が濃厚なレースとなっていますが、その中でも1番人気に支持されたのがケンタッキーダービー3着からの臨戦となるタシトゥス。

 

父のタピットはウッドメモリアルSを制しただけでなく、種牡馬としてはアメリカ最優秀3歳牝馬のアンタパブル、BCジュヴェナイルフィリーズを制したスターダムバウンドらがいる大種牡馬。そして母のローズハッチズもG1レースで5勝を挙げた文句なしの名牝です。

 

期待の良血馬として、タシトゥスはW・モット厩舎に所属したタシトゥスはデビュー2戦目で初勝利。この時の出脚はイマイチでしたが、道中で少しポジションを上げると直線ではグイグイと伸びて2着馬との競り合いを制しました。

 

その後は休養に入り、年明け緒戦となったのは3月のタンパベイダービー。ここでもタシトゥスは出足の鈍さを見せて中団からのレースとなりましたが、長くいい脚を使って勝利すると、続く4月のウッドメモリアルSは好スタートを決めて4番手で流れに乗るとタックスを競り落として勝利。このレースでは道中の不利も大きかったことで高く評価されました。

 

そして迎えたケンタッキーダービーはスタート直後に頭を上げてしまったことで出脚が付かず、後方4、5番手からのレースに。道悪馬場で前に行けないとどうしようもないという最悪な状況ではありましたが、最後の直線で外からよく伸びて3着(4位繰り上がり)に。レース後にはプリークネスSを回避し、早くからこのレースに照準を絞ってきました。

 

ちなみにタシトゥスの父タピットはこれまでにベルモントS勝ち馬を3頭も輩出するなど相性も抜群。この点も加味されて人気に支持されていると言えるでしょう。

 

これに差がなく続いているのが、プリークネスSを制し、2冠達成を目論むウォーオブウィル。

 

「未来の戦争」という物騒な名前を付けられていますが、その由来は父のウォーフロントから。代表産駒としてはヨーロッパで活躍する芝馬ばかりが多く、さらにこの馬の叔父はというと20年ほどまえに欧州のマイル戦を圧巻したスピニングワールド。それだけにダートが主体となるアメリカではどうかと思われていました。

 

ウォーオブウィルを管理する調教師、M.キャシーもそう考えていたのでしょう。そのため、同馬のデビュー戦に選んだのはカナダの芝レース。ここで3着に敗れましたが内容が良かったためか、次走にはいきなりG1レースのサマーSを選択。ここでもウォーオブウィルは2着と好走しました。

 

これで手ごたえを掴んだ調教師はウォーオブウィルをアメリカに移して、バーボンSをステップにBCジュべナイルターフへと出走。ここまですべて芝のレースだったことからもやはり芝馬と思えたのですが、アメリカでの2戦は4着→5着と煮え切らず。そこで矛先をダートに向けると、いきなり5馬身差で楽勝。条件戦とはいえインパクトのある勝ち方をして2歳シーズンを終えました。

 

明け3歳のウォーオブウィルが続いて出走したのは1月のこと。間髪入れずに臨んだルコントSは4馬身差で快勝すると、続くリズンスターSも勝利して重賞2連勝を飾りましたところが3月のルイジアナダービーではスタート直後に左脚を捻るというアクシデントに見舞われ9着に終わると、ケンタッキーダービー(G1)では7着(8位繰り上がり)。位置取りそのものはよかったのですが、直線に入る際に前を行くマキシマムセキュリティの斜行の不利をモロに喰らう形になるという悔しい敗戦でした。

 

そうした無念を晴らしたのがプリークネスS。ここでは内ラチ沿いを進み4番手に付けると直線でも内を突いて抜け出して見事1着。無念を晴らす形となりました。

 

通常ならばクラシックを制しているこちらの方が人気になってしかるべきですが、アメリカ3冠路線のハードなスケジュールを加味すると体調面でこれ以上の上積みが疑問視されるのは確か。特にウォーオブウィルはアメリカに拠点を移して以来、これと言った休みも採らずに走っているためになおさらです。

 

この2頭に続くのがエバーファスト、スピンオフ、イントレピッドハートらが続いていますが、いずれもオッズは11倍。それだけに2強体制が強いと言えるでしょう。

 

ちなみに日本馬マスターフェンサーのオッズは12倍前後。半兄に名古屋グランプリ2着のトップディーヴォがいるためか、父のジャスタウェイとは似ずにダート路線で活路を見出し、デビュー3戦目の未勝利戦でダート初勝利を飾ると、とんとん拍子で2連勝。ヒヤシンスSで4着、伏竜Sで2着とあと一歩煮え切らないレースをしていましたが、果敢ケンタッキーダービーへの挑戦を表明。

 

もちろん人気薄での出走となりましたが、フタを開けて見れば最後方追走から直線で内を鋭く追い上げて6着(7位繰り上がり)に健闘しました。

 

ちなみにケンタッキーダービーが行われるチャーチルダウンズ競馬場で出走馬の通過タイムや位置取りを計測しているトラカス社のデータによるとマスターフェンサーの上がり400mのタイムは24秒60はメンバー最速のもの。道悪馬場で前に付けられなかったのが響きましたが、距離が延びた分こちらの方が間違いなく適性はあるはずで、一発の期待を寄せられています。

 

ベルモントSは6月8日(土)の18時37分(日本時間:6月9日(日)7時37分)に発走予定。順当に決まるか、それともマスターフェンサーが奇跡を起こすか…アメリカ牡馬の最後の1冠だけに一戦だけにぜひ馬券を買ってみたいですね!